【水滸伝】北方謙三の若い頃とは？ハードボイルド作家人生に迫る！

北方謙三さんの若い頃に焦点を当て、彼の作家としての歩みや試練、そして転機について詳しく解説します。

この記事では、彼がどのようにしてハードボイルド作家としての地位を築いたのか、その背景や初期の代表作を通して紹介しています。

また、歴史小説への挑戦と、その成功の理由についても触れていますよ。

彼のプロフィールや現在の活動についても詳しく解説していますので、ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

北方謙三の若い頃の作家人生

北方謙三さんの若い頃の作家人生には、彼の強い意志と多くの試練が詰まっています。

① 学生時代と肺結核による試練

北方謙三さんは、佐賀県唐津市で生まれ育ちました。幼少期から読書に興味を持っていた彼は、中央大学法学部に進学。しかし、高校時代に肺結核を患い、大きな試練を経験することになりました。

柔道部に所属していた彼にとって、健康が自慢だっただけにこの病気は大きな衝撃でした。半年間治療を受けるも完全には回復せず、医師からは「修学不可」と診断されてしまいます。しかし、彼は自分の道を諦めず、最終的に大学に進学しました。

この経験が彼の人生観に深い影響を与え、後の作品にも影響を及ぼしているとされています。

② 学生運動への参加と作家デビューのきっかけ

北方謙三さんが学生だった当時は、学生活動が非常に盛んでした。彼もその波に乗り、学生運動に積極的に参加しました。特に全共闘運動に関わり、その経験が彼の文学的感性に大きく影響を与えました。

その一方で、作家としての道を歩み始めたのもこの時期です。彼は、1970年に同人誌にて純文学作品「明るい街へ」を発表し、その作品が新潮社の編集者の目に留まり、学生作家としてデビューを果たしました。

デビュー後、彼はさまざまなジャンルで執筆を続けますが、最初の10年間は大きな成功を収めることができず、厳しい時期を過ごしました。

③ 初期の苦労とデビュー後の低迷期

北方謙三さんはデビュー当初、「大江健三郎以来の天才」と称賛されましたが、その後の10年間はほとんど作品が採用されず、非常に厳しい時期を過ごしました。

100本近くの原稿を提出しても、雑誌に掲載されるのはわずか3本程度。その間、肉体労働をしながら小説を書き続けたそうです。しかし、この苦労の時期が彼の作風や執筆スタイルを確立させる重要な期間となりました。

④ 北方謙三に影響を与えた作家たち

若い頃の北方謙三さんに影響を与えた作家は、レイモンド・チャンドラーなどの海外ハードボイルド作家だけではなく、日本の大衆小説作家である白井喬二や中里介山、大仏次郎などが挙げられます。

彼は、これらの作家たちの作品から多くを学び、自身のスタイルを確立していきました。特に、明治・大正時代の大衆小説を復活させたいという強い思いがあったことは、彼の作品に大きく反映されています。

北方謙三の若い頃の作品と作風

北方謙三さんの若い頃の作品は、彼の転向期や試行錯誤を反映しています。

① 純文学からハードボイルドへの転向

デビュー時は純文学を志していた北方謙三さんですが、次第にハードボイルド作家としての道を歩み始めました。彼の作品が本格的に注目され始めたのは、ハードボイルド小説『弔鐘はるかなり』の発表からです。

この作品は、彼の新たなスタートを象徴するものであり、それまでの低迷期から脱却するきっかけとなりました。

② 初期の代表作とその評価

彼の初期の代表作としては、『弔鐘はるかなり』や『檻』が挙げられます。これらの作品は、ハードボイルド小説として高い評価を受け、彼は一躍人気作家となりました。

また、これらの作品は映画化され、さらに多くの読者に知られることとなりました。

③ ハードボイルド作家としての特徴

北方謙三さんのハードボイルド作家としての特徴は、重厚なストーリーと独特の男らしさが漂う作風です。彼の作品に登場するキャラクターたちは、厳しい現実に直面しながらも自分の生き様を貫く姿が描かれています。

これらの作品は、多くの読者に支持され、ハードボイルドジャンルの中でも特に異彩を放つ存在となりました。

④ 歴史小説への転身

その後、北方謙三さんは歴史小説にも挑戦するようになります。彼が執筆した南北朝時代を舞台にした『破軍の星』は、彼の新たなチャレンジとして大きな注目を集めました。

また、中国の歴史を題材にした『三国志』や『水滸伝』といった作品は、彼の代表作として今なお高い評価を得ています。

北方謙三のプロフィールと現在の活動

最後に、北方謙三さんのプロフィールと現在の活動について紹介します。

項目	詳細
生年月日	1947年10月26日
出身地	佐賀県唐津市
職業	小説家
ジャンル	ハードボイルド、歴史小説
代表作	『弔鐘はるかなり』『檻』『友よ、静かに瞑れ』『三国志』『水滸伝』
主な受賞歴	吉川英治文学新人賞、角川小説賞、日本推理作家協会賞、柴田錬三郎賞など

北方謙三さんは、現在も活躍を続けており、彼の作品は今後も多くの読者に愛され続けることでしょう。

まとめ

項目	詳細
生年月日	1947年10月26日
出身地	佐賀県唐津市
職業	小説家
ジャンル	ハードボイルド、歴史小説
代表作	『弔鐘はるかなり』『檻』『三国志』『水滸伝』

北方謙三さんは、肺結核による試練や学生運動を経験しながらも、作家としての道を歩んできました。
初期は純文学を志していましたが、ハードボイルド作家として再デビューを果たし、多くの代表作を生み出しました。
『弔鐘はるかなり』や『檻』での成功により、一躍人気作家となり、その後は歴史小説にも挑戦し、『三国志』や『水滸伝』といった大作を執筆しています。
彼の作品には、厳しい現実に立ち向かう男たちの姿が描かれ、多くの読者に支持されています。
今後も彼の新作や活躍に注目していきたいですね。